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生活支援ロボットとは?
1. はじめに
 あることを法律や規格の対象として論ずる場合には用語の定義が不可欠となります。しかし「生活支援ロボット」と称されるものは、萌芽的、発展的段階にあり現状では確定した定義はないと考えられます。JIS(日本工業規格)においても用語集の中に「生活支援ロボット」がありますが、例を用いた説明に止まっています。そもそも「ロボット」についても、いろいろな捉え方があり定説は無いとも言えます。現在ISOでもJISでも「ロボット」単独の定義はありません。(ISOでは審議中)
 以下では議論をする際の参考のために、種々の観点でなされたロボットの定義例を集めました。
2. ロボットの定義例
● ISO TC184/SC2での審議案
Actuated mechanism programmable in more than one axis with a degree of autonomy, moviing within its environment, to perform intended tasks.
出典:http://www.mdpnp.org/uploads/ISO_robot_standards-GSVirk.pdf
● 上記の別ヴァージョン
Reprogrammable machine with a degree of autonomy, programmable in more than one axis, either fixed in place or mobile, and able to perform task(s).
Note: Degree of autonomy can be from manual (including tele-operation) to fully autonomous.
出典:http://www.robocasa.net/workshop/2007/pdf/toyota.pdf
● 特許庁・技術調査での定義
「マニュピュレーション機能を有する」、又は「移動機能を持ち、自ら外部情報を取得し、自己の行動を決定する機能を有する」、又は「コミュニケーション機能を持ち、自ら外部情報を取得し自己の行動を決定、行動する機能を有する」機械
特許庁:H19.4 平成18年度特許出願技術動向調査の結果について-Part.1ものづくり・情報通信-
● ロボット研究者による定義例 (大場光太郎・産総研知能システム研究部門副部門長)
可動機構とセンシング機能があり、プログラムを覚えてタスクをこなす、組み込みシステム全般。
出典:http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/0907/17/news111_2.html (2009講演記事)
3. サービスロボット、生活支援ロボットの定義例
● service robot(ISOTC184/SC2、審議中)
Robot that performs useful tasks for humans, society or equipment excluding industrial automation applications
出典:http://www.mdpnp.org/uploads/ISO_robot_standards-GSVirk.pdf
● 上記の別ヴァージョン
A robot which provides“usefulness”for the well-being of humans, society and equipment, excluding manufacturing operations. Toy robots and Military robots are also outside its scope.
出典:http://www.robocasa.net/workshop/2007/pdf/toyota.pdf
● personal care robot(ISO/TC184/SC2、審議中)
service robot with the purpose of aiding actions or performing actions that contribute directly towards improvement of quality of life of individuals
出典:http://www.mdpnp.org/uploads/ISO_robot_standards-GSVirk.pdf
● サービスロボット(JIS)
人間にサービスするロボット
出典:JIS B 0187:2005 番号1100
● サービスロボット(日本ロボット工業会・調査報告書での扱い)
稼働領域を人間の存在領域と共有するロボット(次世代ロボット)であり、次のロボットを除外したものをいう。
ⅰ. 宇宙、水中、地中、人体または動物の体内、原子炉内その他の特殊領域で稼働するロボット
ⅱ. 薬事法の定める「医療機器」に該当するロボット
ⅲ. 航空法の定める「航空機」に該当するロボット
ⅳ. 武器または兵器に該当するロボット
出典:平成20年度 サービスロボット運用時の安全確保のためのガイドライン策定に関する調査研究報告書、日機連、日本ロボット工業会
● 生活支援ロボット(JIS用語 付属書)
開発中あるいは実用化されたサービスロボットの事例として以下をあげている。
a) 生活支援(アミューズメントを含む。)
b) 社会支援
c) 医療・福祉
d) 災害対応・防災・メンテナンス
出典:JIS B 0187:2005 サービスロボット-用語、附属書(参考)サービスロボットの事例
● 生活支援ロボット (NEDOプロジェクトでの用法)
ロボット技術は産業分野のみならず、介護・福祉、家事、安全・安心等の生活分野においても、社会的課題の解決策の一つとして活用することが期待されており、生活支援ロボットの活用により、 生活の質や利便性向上が可能となる。
出典:「生活支援ロボット実用化プロジェクト」基本計画P09009 (2009)
http://www.nedo.go.jp/content/100147025.pdf
● 生活支援ロボット (関西次世代ロボット推進会議)
「生活支援ロボット」の概念は非常に広く、その具体的な範囲を明確に定義したものは存在していない。大阪圏では、当面、生活支援ロボットとして、下記分野を想定して重点的に取り組むこととする。
(以下、略記)①安心安全分野、②医療福祉分野、③教育分野、④生活空間分野
出典:[大阪圏における生活支援ロボット産業拠点の形成」にかかる実施計画書(案)、2005.8 関西次世代ロボット推進会議
4. 産業規格でのロボットの扱い
① JIS
● 産業用ロボット
自動制御によるマニピュレーション機能又は移動機能をもち、各種の作業をプログラムによって実行できる、産業に使用される機械。
JIS B 0134 1998 番号1100(産業用マニピュレーティングロボット-用語)
● 産業用マニピュレーティングロボット
3以上の軸を持ち、自動制御によって動作し、 再プログラム可能で多目的なマニピュレーション機能を持った機械。移動機能をもつものともたないものとがある。
JIS B 0134 番号1130
● 移動ロボット
自動的に移動できるベースをもつロボット
備考 ロボットのベースが移動できる架台に載っているものを含む。
JIS B 0134 番号1140
● 知能ロボット
人口知能によって行動を決定できるロボット
JIS B 0134 番号2140
● 人間共存形ロボット
人間と動作空間とが交わるロボット human-symbiotic robot
JIS B 0187 番号1200
(参考:JISにおけるマニピュレータの定義)
● マニピュレータ
互いに連結された分節で構成し、対象物(部品、工具など)をつかむ(掴む)、又は動かすことを目的とした機械。
JIS B 0134 番号1110
② ANSI/RIA
● industrial robot
An automatically controlled, reporgrammable multipurpose manipulator programmable in threee or more axes which may be either fixed in place or mobile for use in industrial automation applications.(ANSI./RAI R15.06-1999
出典:http://www.lomont.com/documents/RIA%20R15_06-1999.pdf
● 上記日本語訳例
産業オートメーションの用途に用いられ、所定位置に固定する、 または移動するために3軸以上がプログラム可能で、 自動制御され、再プログラム可能な多用途のマニピュレータ
出典:(社)日本ロボット工業会 技術資料-08 (2000)
5. 参考情報
● Wikipediaのロボットの項目 ⇒ リンク